大学の建築学科って何するの?

建築


ぐうたらしてんじゃねぇよ!



今回は大学で建築学科へ進もうか迷っている方に向けての記事になります。

建築学科は何を学ぶのか、また、卒業後はどんな企業に就職するのか、詳しく書いていきたいと思います。



この記事を読んで分かること

大学の選び方

建築学科の授業の内容

建築学科の就職先



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建築学科に入るまで

まず建築学科がある有名な大学をあげていこうと思います。

建築学科がある有名な大学一覧

・東京大学・京都大学・東京工業大学・大阪大学・東北大学・千葉大学・近畿大学・早稲田大学・東京理科大学・明治大学・法政大学・芝浦工業大学・日本大学・東京都市大学・東海大学



キリがないのでこれくらいにしておきます。

大学選びの重要なポイントの1つとしてあげられるのはその大学の建築学科がどのくらいの歴史があるか、です。

建築系の大企業というと100年くらいの歴史を持つ企業が多くあります。

大学の建築学科の歴史が古いとこういった企業と関係がある場合が多いです。

具体的に説明しますと、建築学科の研究室は企業から頼まれた研究をすることが少なくありません。

大企業の部長クラスの人が大学の研究室に顔を出しにくることもあります。

そのため企業との関係が非常に深く、この親密な関係は就職の際に非常に効いてきます。

実際僕の周りにもコネを使って就職した友人もいました。

(昔に比べれば減少しているとは思いますが、、)



小さな個人設計事務所に行きたい!という方は別ですが、大企業への就職を望んでいる方は「その大学の建築学科が何年に創設されたのか」を大学選びの基準の1つとして考えてもらえたらと思います。


国公立の大学だと受験科目は必然と多くなりますが、一部の私立大学ですと英数と理科一科目で受験できる場合があります。

この場合に注意していただきたいのですが、物理と化学はどっちも勉強しておくこと!!

物理は構造計算で、化学は材料系の授業でほぼ必須となります。

入学してからが大変なので、建築学科に入ろうと思っている人は物理と化学、両方勉強しておくことをおすすめします。







建築学科の授業の内容

もちろん大学によりますが基本的には1年目は体育や外国語、一般教養科目など建築に関係ない科目の勉強をする場合が多いです。

中には1年目にデザインの基礎の授業を行う大学も大学もあるようです。

僕も初めのうちは鉛筆(ホルダー)の正しい使い方、直線の引き方を学びました。

1年目後期や2年目に入ると教養科目だけでなく建築系の科目を学んでいくことになります。

実際に住宅を設計したり、構造の勉強をしたりします。

あとは建築の歴史等もこのくらいの時期に授業が始まる大学が多いです。

ではそれ以降にある科目を含め、建築系の勉強は具体的にどんな科目があるか少し紹介したいと思います。

建築系の科目一覧

・構造系・建築環境系・建築法規系・建築史系・建築設備系・建築計画系・都市計画系・製図・設計



では1つずつ軽く紹介していきます。

構造系

構造計算を主に学んでいくことになります。

反力を出したり、モーメントを求めたり、計算が好きな人はとても楽しい科目に

感じると思います。

高校時代に力のモーメントについてしっかりと学習していればスムーズに理解することができると思います。

ちなみにこの構造の分野、独学で理解するには非常に難しく、また挫折する人が多い科目と言われています。

毎年一級建築士の問題では6問ほどこの計算問題が出るのでしっかりと学習しておくことをおすすめします。

他の科目は怠けても、この科目だけは本当に真剣に授業を聞いておいた方が良いです。


建築環境系

どんな建築だったら人々が快適に過ごせるかについて学びます。

大体は暗記、たまに計算、という科目です。

どんな光、温度、湿度だと人々は快適に感じるか、またどうすればその環境を作り出せるか、そういったことを学びます。

基本的には設備の力は借りずに壁の厚さ、窓の大きさを変えることで快適にしよう、という科目です。


建築設備系

基本的には環境と同じでどうすれば人々が環境に過ごせるかについて学びます。

暗記と計算が両方ある点も建築環境系と似ています。

ただ違うのは設備を使うことです。

空調設備や給水設備について学習し、快適な環境を作り出す方法を学びます。

どっかでこの設備見たことあるなぁ〜とか、あの設備こんな役割あるのかぁ〜と、発見が多く楽しく学べる科目だと思います。

一級建築士の試験では建築環境系と一緒に出題されます。

建築環境系か建築設備系、どちらかを得点源としておくと心強いです。


建築法規系

一級建築士の試験において学科試験で出題されることはもちろん、製図の試験でこの建築法規の知識が必要とされるので非常に重要な科目となります。

高さ制限や避難経路、そのほか本当にたくさんの規制等について学ぶことになります。

しかし正直1回授業を聞いて覚えられるような科目ではありません。

何百回、何千回と法令集を引きちょっとずつ内容を覚えていく科目です。

また試験当日ではこの法令集を持ち込み可能です。

気長に、少しずつしっかりと学んでいくことをおすすめします。


建築史系

日本の建築物、西洋の建築物等について学びます。

建物の材料、規模、洋式の移り変わりについて学習していきますが、”the 暗記科目”で個人的にあまり興味がない科目のため非常に苦労しました。

一級建築士のテストでは有名建築物とその設計者を答える問題が多く出てきます。


建築計画系

部屋の広さ、廊下の幅、バリアフリー等について学びます。

身の回りのものの寸法はしっかりと定められているのだと学習します。

細かい寸法を1つ1つ暗記する必要があるので大変である一方、設備系と同様身の回りのものを思い浮かべながら学習できる楽しい科目であるとも言えます。


都市計画系

都市とはどういう括りなのか、また誰が定めるのか、そういったことを学びます。

一級建築士の試験では建築史系、建築計画系と合わさり計画の範囲で出題されます。

建物の名前を覚えたり寸法を覚えたり、とにかく暗記だらけになります。

少しずつ覚える人もいれば試験前に一気に詰め込む人もいます。


建築施工系

建物はどのように作られるのかを学ぶ科目です。

主に材料、施工の手順について学習します。

少量の計算問題がありますが基本は暗記です。

就職先として施工管理職を検討している人は特に力を入れて学ぶ必要があります。

また建築施工系には”2級建築施工管理技士”という学生のうちに取得できる資格があります。

難易度が低いですし就職の際には非常に有利になるので余裕があれば取得を目指してみてください。


製図・設計

先ほども少しお伝えしましたがまず線の書き方等から学びます。

続いて模型の作り方、図面の書き方を学びます。

一通り基礎を学び終えると自分で建物を設計していくことになります。

初めは規模の小さい戸建て住宅から、続いてマンションや複合施設、と段々と難易度が上がっていきます。

授業の流れとしては与えられた課題・条件をしっかりと読んだ上で数ヶ月かけて1つの作品を作り上げることになります。

毎週案を考えたり実際模型を作ったりして、それを元に自分の担当の教授に見てもらいアドバイスをもらう、という感じです。

優秀な作品を作ると表彰されることもあります。






建築学科の就職先

大学にもよりますが基本的には建築に関係した企業に就職する学生が多いです。

建設会社(ゼネコン)や設計事務所、設計コンサル、ハウスメーカー、デベロッパー等です。

中にはIT系の企業や公務員に進む人もいます。

就職の際の難易度はピンキリと言えるでしょう。

個人的な難易度順としては

スーパーゼネコンの設計職、大手設計事務所

⬇︎

ゼネコンの設計職、設計事務所、デベロッパー、ハウスメーカーの設計職、設計コンサル

⬇︎

ゼネコン・ハウスメーカーの施工管理職



ざっとこんな感じだと思います。

設計職は割と就職が難しいですが、中でもスーパーゼネコンの設計職や大手設計事務所の設計職はレベルが違います。

まず学部卒で入社することはできないので大学院へと進学する必要があります。

大学院へ進み、さらにその中で優秀な作品を作り、賞を取るような人でないと入社は難しいと思います。

中断のデベロッパー、ハウスメーカーの設計職、設計コンサル等の就職の難易度は正直アバウトですが、施工管理職よりは難しいのは確実です。



僕自身がこの施工管理職に就職したため少し詳しく書かせていただきます。

また、施工管理職の面接対策に関してはこちらの記事で紹介しています。

https://guuutara-boy.com/syuukatsu/

3K(危険・きつい・汚い)のイメージから毎年定員割れしている企業も少なくありません。

いわゆるスーパーゼネコンであっても施工管理職であれば、入社すること自体はそこまで困難ではないと思います。(スーパーゼネコンへ就職した友人達の意見を参考にしています。)

しかし大企業あるあるかとは思いますが、スーパーゼネコンには派閥が存在します。

出世しやすい大学があるのは事実で、また役員等をみても超高学歴の大学出身の人のみで構成されている企業もあります。

あまり名の知られていない大学からでも入社することは可能ですが、出世するのは難しいというのは1つ覚えておいていただきたいです。

また、規模が巨大で・社員数が多いスーパーゼネコンでは若いうちから出世することはほぼ不可能です。

規模が大きい故に個人をしっかりと評価することができません。

私が就活中にスーパーゼネコンのOBから聞いた話ですが、入社して8年目くらいまではみんな同じように昇給し、同じような仕事を割り振られるようです。

これらを避けるために私は準大手・中堅ゼネコンに就職を決めました。

平均年収は100万ほど下がりますが、早いうちに一級建築士の資格を取り、入社数年目で現場の所長としてバリバリ働いている人もいます。

若いうちから実力をしっかりと評価してほしいという人はこれくらいの規模のゼネコンに就職するのも1つの手かと思います。



建築は、規模は縮小することはあっても絶対に無くならない産業です。

オリンピックの景気が下がれば衰退する、と言われていますが改修、リフォームの時代がきます。

また海外に進出する企業もたくさんあります。

働き方改革、自動施工ロボットの誕生で現場もどんどん良い方向へ向かっています。

ITと連携した新しい建築業界になるのももうすぐと言えるでしょう。




この記事を通して皆さんが建築、建築学科に少しでも興味を持ってくれたら幸いです。
ぜひ一緒にこの業界を盛り上げましょう!!




最後まで読んでいただきありがとうございました。

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